ラトビア音楽が止まらない!!新生ガイスマの第一歩

2024年の上半期は合唱団ガイスマを中心として多くのラトビア音楽を披露できた異例のシーズンでした!

やはり歌の祭典に参加した翌年は皆さんの注目度が一気に上がるようです。1月から7月にかけての様々なイベントをまとめて振り返ってみましょう。

合唱団ガイスマが独立

合唱団ガイスマは創立15年となる今年、長年傘下にあった日本ラトビア音楽協会の元を離れ、2024年1月に独立した音楽団体としての歩みをスタートさせました。

それに伴い、名称が「日本ラトビア音楽協会合唱団ガイスマ」から「合唱団ガイスマ(Koris Gaisma)」というシンプルなものに変更になりました。

協会からの独立の経緯についてここであまり詳しいことは述べられないのですが、ガイスマ設立時の理念に立ち返り、より広くラトビア人やラトビアを愛好する同志と交流・連携していくこと、ラトビア文化に関心を持つ人々の集合であるこの合唱団の自立性を担保すること、そしてラトビア音楽の魅力を広めていくことを重要な柱として、いわゆる「普通の」合唱団と同じ体制をとることにしました。

今後もいっそう合唱団ガイスマをご愛顧くださいませ!

合唱団ガイスマ練習体験会

2月と3月に、ガイスマとしては初となる練習体験会を実施、ラトビアに興味のある方を広く募集しました。いつものスタジオでラトビア語の発音の初歩から始め、ラトビアの合唱曲を2曲歌ってみるイベント。

思っていた以上に参加者が集まり、20名もの方が参加!

そのうち5名の方が入団してくれました!!!!

中にはTVでラトビアの歌の祭典のドキュメンタリーを見てからずっと興味を持っていた人、日本ではたらくラトビア人、つくばからわざわざ来てくれた姉弟とそのお母さんなど。

ラトビア文化やラトビア音楽への入り口として、ガイスマがポータルな存在として間口を開いておくことの意義を感じるイベントでした。これからもたびたび開催していきます。

EU Village出演

5月11日土曜日、EU駐日代表部が主催して丸の内Kitteで開催されたイベント、Eu Villagでのパフォーマンスにガイスマが参加。

駐日ラトビア大使館に推薦していただき、ラトビア代表(?)としての出演でした。

PAを使う舞台でほとんどぶっつけ本番の舞台でしたが、何とかお役を全うできたかな?

ユネスコ異文化アカデミー特別講義

5月18日土曜日、ガイスマ団員にユネスコ杉並支部の会員がおり、その方の企画で「歌と踊りの祭典」に関するレクチャーイベントが開催され、ガイスマがゲストとして30分ほど演奏しました。

ユネスコさんには2018年にもお招きいただいており、会員の皆さんの他国の文化への関心の高さに驚かされました。

この時最前列で観覧していた方がその後ガイスマに入団することに!これも嬉しい出会い。

渋谷区合唱祭出演

6月15日土曜日、毎年恒例となっている渋谷区合唱祭に出演しました。(渋谷区大和田文化センターさくらホール)

ガイスマに渋谷区民はいないのですが、設立当初の練習場所が渋谷区だったこと、ラトビア大使館が渋谷にあることなど様々な縁があって、現在でも連盟の会員として加盟し続けています。

ガイスマにとって大きなホールでのびのび歌える貴重な機会!5月から歌い重ねている愛唱曲をここでも披露しました。

夏至祭(Līgo)

6月21日金曜日、駐日ラトビア大使館で毎年行われる夏至祭のパーティに招待され、ガイスマが夏至にまつわる民謡をオープニングで歌唱。

現大使のZigmars氏の意向で、堅苦しくなくアットホームなパーティーにしたいということで、ラトビアのお酒や伝統的な食事などを囲んで、ラトビアを愛好する日本人と日本在住のラトビア人が賑々しく交流しました。

ほんとに毎年楽しみなイベントです!

ラトビアの合唱団Pa Sauleiとの交流会

7月29日月曜日、東京国際合唱コンクールに出場するため来日していた合唱団Pa Saulei(Ropažu novada k/c Berģi jauktais koris Pa Saulei)が、ガイスマとの交流を申し出てくれたので、急遽彼らをもてなすパーティを設けました。

この合唱団の指揮者Marta Ozolaの夫、Jānis Ozolsは2019年に来日した合唱団Maskaの指揮者で、ガイスマとジョイントコンサートとワークショップも行った縁がありました。日本に来るラトビア人合唱団との交流はガイスマが最も望むことですから、喜んで彼らをお迎えすることに。

この日は本当は8月の演奏会に向けた練習日だったのですが、「ラトビア人と一緒に歌うこと」がただの練習よりもはるかに美しい成果をもたらすことを、我々は歌の祭典で知っています。

「日本にラトビアの曲しか歌わない団体がいるとは知っていたが、今日ここに来るまでそのことを本当に理解できていなかった」とはPa Sauleiの代表の言葉。ガイスマの存在は彼らにとっても信じられないものだったよう。

わずか2時間ほどの間に、何曲歌ったことか・・・そのどれもが深く心に刻まれました。ラトビアの第2国歌とも呼ばれる"Saule, Pērkons, Daugava"を指揮したMartaの目に涙があふれているのを見て、これが彼らにとっても特別な時間になったはずと、胸を熱くしました。

その後現地ラトビアのメディアに彼らのレポートが載り、この交流会について大々的に書いてくれています!

ラトビア音楽の夕べVol.2 Rītausma

8月10日にタワーホール船堀で開催した、今年最大の自主企画!

合唱団ガイスマに加え、前回(2023年5月)も神戸から出演してくださった音楽ユニット・ウズマニーブ(Uzmanību)、そしてこのコンサートのために結成した公募合唱団クラーサス(Krāsas)による3ステージ。

クラーサスは募集から運営統括、事前練習までを私が担当し、本番指揮者にはラトビアで学び現在はラトビアで合唱指揮者・プロ合唱団員として活動する山﨑志野さんを迎えました。

志野と僕とはもう11年くらいの付き合いになるでしょうか。ラトビアにいる彼女からはいつも最新のラトビア音楽情報が送られてきていて、僕はいつも垂涎ダラダラ。是非彼女の指揮で「いま」のラトビアの合唱最前線を日本に紹介してほしいと考え、この団体を立ち上げました。

ガイスマが歌う「歌の祭典」のレパートリーだけでなく、ラトビアではアカデミックな合唱作品の創作が非常に盛んで、演奏のレベルも世界トップクラス。ラトビア合唱の多面性を示す意味で、ガイスマとクラーサスの両輪はとても意義深いものです。

公募は当初の予想を超える48名が参加!遠くは福岡からいらっしゃる方も。ラトビア語に触れるのが初めての方が大半ながら、ラトビアでもプロかハイアマチュアのレパートリーとなるめちゃくちゃ「本気」のプログラムを見事に演奏しきりました!

3団合同で演奏した2曲は、本当にラトビアの森、祭典の大ステージに立っているような錯覚に陥り、ここに小さな「歌の祭典」が実現したと感じられました。

クラーサスはまた2年後くらいに公募予定。ぜひ東京以外ででも公演したいです(だれか呼んで!)。

合唱

Posted by Taku Sato