<声の雑味考>レッスン可能日程(2021年6月前半)

なかなか忙しい5月がようやく終わりました。

2年ぶりとなるサリクス・カンマーコア(Salicus Kammerchor)の定期演奏会が千葉(5/16)と豊洲(5/21)で行われ、ハインリヒ・シュッツとそこに至るポリフォニーの流れを俯瞰する大プログラムを歌い切りました。

指揮の元希くんが、バロック以前の声楽曲では、現代のクラシック声楽技法はあまり用いられておらず、より話し声に近い歌唱(いわゆるSpeech level singing)で歌われてたんではないか、という仮説に立ち、実践を試みました。

とても共感できるし、その声で歌われる合唱のギラギラした音色は格別だなと感じました。で、その声を持っていると、それぞれの曲に相応しい音色の大部分は、音楽のスタイルと言語(発音)がナチュラルに導き出してくれるんですね。


そのあと何人かの生徒さんには伝えてるんですが、「自分の本来の声」が持っている特徴的な響き、いわば「雑味」ともとらえられる音色を削らないように声を出してみると、意外にもその声の方がよくとおって、身体への過剰なプレッシャーがないことがわかります。

合唱をやってると、周囲の声と異なった響きは邪魔になる、あるいは飛び出るんじゃないかと思い込んで、つい雑味を極力取り除いた声を出してしまいがちですが、その音色は結局は誰の声でもなく、聞き手には届かないんですね。

声の雑味とは、正確に言えば高次倍音の個性と言えます。すごくピュアで濁りのない音色を持っている友人の歌手の声を分析してみたら、大量の高次倍音{特に8000Hz以上の帯域)が含まれていたことがありました。

言い方が難しいですが、ピュアであるためには雑味を包含していないといけないのでは、と気付かされるきっかけでした。

このあたりまだまだ勉強中、検証中です。何か新しい気づきがあればお知らせいたします。

音声のスペクトラム解析アプリSpectrum Viewの画面
左が雑味バリバリの声、右は雑味を消し去ろうとした声

さて本題!6月前半のレッスン可能日をお知らせいたします。

対面のレッスンもぼちぼちやっており、オンラインでは伝えにくい身体や呼吸の声への作用を詳しくお伝えすることができます。

出張レッスンも行いますのでお気軽にお問い合わせください!(というこの文章も横浜方面へ出張に向かう電車の中で書いています。)

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