ラトビア音楽の夕べ、そして歌の祭典へ…
ラトビア音楽の夕べ(2023年5月1日)
1ヶ月も前のこととなりますが、5月1日、合唱団ガイスマ主催の「ラトビア音楽の夕べ」が終演しました。(@豊洲文化センターホール)
この演奏会の開催を決めたのは今年に入ってから。またガイスマが単独主催で開催する初めてのコンサートでもありました。(以前はラトビア大使館主催や日本ラトビア音楽協会主催がほとんど)
7月に行われる“歌と踊りの祭典”にむけたオーディションが4月中にあり、それに向けたモチベーションアップと、ラトビア音楽を生で体験してもらう場を提供するという二つの大きな目的がありました。
ガイスマ指揮者になって10年、手前味噌ですが、今まででいちばんの演奏ができたと思います。みなさん本当によく頑張りました!
指揮コンクール出場のため一時帰国していた山﨑志野さんが合唱団に混ざって歌ってくれたことも嬉しかった。彼女はもはや半分ラトビア人ですから(笑)、彼女の歌声を感じることで合唱団の声や精神もすこし変わりました。最後には急な提案でアンコール曲”Pūt, vējiņi”(風よそよげ)の指揮までお願いしちゃいました。
共演してくださったラトビア音楽ユニット「ウズマニーブ」のお二人にも大感謝。バイオリンとラトビアの民俗楽器クオクレを用いた国内でも珍しいデュオで、その美しい響きは憧れのサウンドだったし、一緒に合唱するのもずっと夢だったので、とても貴重な機会になりました。
なにより、ラトビア音楽に興味を持ってくださる方々がこんなにたくさんいる、ということがいちばんの励みでした。お客様の拍手もブラボーの掛け声も温かく、また演奏への集中度がとても高くて、会場全体で音楽を共有し育んだ、という点で本当に「歌の祭典」のようなイベントでした。
歌の祭典参加決定!
このコンサートの10日後、ラトビア本国から嬉しい知らせがありました!
4月に送ったオーディション録画の審査が終わり、ガイスマは見事歌と踊りの祭典への参加を認めていただいたのです!
ガイスマは在外団体(Diaspora)部門のカテゴリーA(全てのプログラムを歌うグループ)において、トップの成績をいただきました。順位よりも、5年前のオーディションよりも得点が上がったことが嬉しかった。
他の在外団体は独立戦争時や冷戦時にも亡命した人たちの子孫だったり、移住したラトビア人が集まった団体なのですが、ガイスマはラトビア人が1人もいない(おそらく)唯一の団体です。
歌の祭典を国家的イベントとするラトビアでは、安易に外国人が祭典に参加することについて慎重派が少なくないと聞きます。そんな中で、ガイスマのこれまでの活動と、現在の演奏水準を一定以上認めていただけたのではないかと思い、ほんとにホッとしています。
合唱団ガイスマはピュアに、素直に、衒いなくラトビアの文化や音楽、国そのものを愛する人たちの集まりです。
ここ最近入団された人の中には合唱が全く未経験で、ラトビアに興味があるので入団した、という人もいます。その輪がどんどん広がるように、指揮者としてこれからもガイスマを守り続けます!
当日のプログラムはこちら。
【第一部】ラトビアの合唱曲
日本ラトビア音楽協会合唱団 GAISMA(ガイスマ)
指揮:佐藤拓 ピアノ:坂本雅子
このステージではラトビアで広く愛唱されている合唱曲から、この夏の歌の祭典のため に書かれた新曲まで 4 曲を厳選しました。歌うこと、夏至祭、民族の魂、そして自然・・・ ラトビア人の文化観を象徴しつつ、美しい旋律に溢れた作品ばかりです。
・Dziesmai šodien liela diena (今日は歌にとって素晴らしき日)
Pēteris Barisons 作曲, Arvīds Skalbe 作詞
・Jāņuvakars (夏至の夜)
Emilis Melngailis 編曲, ラトビア民謡
・Tautasdziesma (民族の歌)
Raimonds Pauls 作曲, Jēkabs Jančevskis 編曲, Ojārs Vācietis 作詞
・Augšup dzīvība skan (上へと命が鳴り響く)
Lolita Ritmanis 作曲, Rasa Bugavičute-Pēce 作詞
【第二部】 [特別出演]
ラトビア音楽ユニット UZMANĪBU(ウズマニーブ)
クオクレ:溝口明子 バイオリン:秦進一
1.Saulīt, mana krustamāte (お日様、私のお代母さん)
2.Šūpojiesi, tautu meita (ブランコで揺れて、お嬢さん)
3.Ai, Jānīti, Dieva dēls (あぁ、ヤーニスさん、神様の息子)
4.Koklītes koklēja (クアクレを奏でた)
5.Ar vilciņu Rīgā braucu (狼とリガへ行く)
6.Sidrabiņa lietiņš lija (銀色の雨が降る)
7.Pie Dieviņa gari galdi (神様が座る長いテーブルにて)
8.Cūkas driķos (そば畑の豚)
【第三部】ラトビア歌の祭典名曲集
日本ラトビア音楽協会合唱団 GAISMA(ガイスマ)
指揮:佐藤拓 ピアノ:坂本雅子
歌の祭典のプログラムの中でも特に大事にされ、ラトビア人にとって民族への愛を心に 刻ませる 4 曲です。ラトビアがたどってきた苦難の歴史を振り返り、輝かしい未来への 希望を歌い上げ、歌によってラトビアが一つに結ばれる・・・歌の祭典のクライマック スの感動が少しでも伝わりますように。
・Svētī debesīs šo zemi (空のこの地を讃えよ)
Zigmars Liepiņš 作曲, Kaspars Dimiters 作詞
・Saule, Pērkons, Daugava (太陽、稲妻、ダウガワ川)
Mārtiņš Brauns 作曲, Rainis 作詞
・Gaismas pils (光の城)
Jāzeps Vītols 作曲, Auseklis 作詞
・Manai dzimtenei (わが祖国に)
Raimonds Pauls 作曲, Jānis Peters 作詞
【アンコール】
Pūt, vējiņi (風よそよげ)
ラトビア民謡Andrejs Jurjāns編曲
指揮:山﨑志野
ガイスマ&ウズマニーブ
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