コロナ禍での合唱団活動 前編(合唱団生存報告)

緊急事態宣言が3月まで延長され、合唱に携わる者にとっては忍耐の日々がまだ続きます。

この状況で、世の中の合唱団がどのような活動をしているのか、そもそも生き残っているのか、ということは、合唱団側が発信しない限りなかなか伝わらないですね。

私の関わる合唱団も、昨年春の緊急事態宣言が明けてからは、何とか途切れなく活動を継続しています。具体的に本番が決まっている団は少ないのですが、それでも合唱団というコミュニティを保持する、という一点において、オンラインでも対面でも「集う」ことの重要さを、指導者以上に合唱団員の皆さんが感じていることと思います。

今回は生存報告も兼ねて、私がかかわる合唱団の2021年2月現在の状況をお伝えしていこうと思います。今回は前編で2つの合唱団をご紹介。


東京稲門グリークラブ

直近のオンライン練習の様子

早稲田大学グリークラブのOB団体の一つで、60~80代が中心の40名ほどの男声合唱団です。

昨年の9月に演奏会を予定していましたが、いったん今年の4月に延期、さらに延期して9月に開催することにしていますが、まだ状況的に予断を許しません。

毎週火曜夜に使用していた練習場所が合唱禁止となったこと、また高齢者が多く外出に不安が多いことから、オンライン練習をメインにして9か月ほど活動しています。

その間に数回、対面で集まっての練習も行いましたが、参加者は10名強といった感じ。やはり集まって歌うことにはまだ障害が大きいようです。

現在は、9月の演奏会に向けた新曲の音取りをオンラインのパート練習で行い、また昨年の『時代』につづいて2度目のリモート合唱にも挑戦中です。オンライン練習にもだいぶ慣れ、個人の譜読み能力はコロナ前より上がっているかもしれません。

この団の課題は、オンライン練習の参加率が6割程度で、まったく顔を出してくれない人がかなりいること。オンラインに参加しない理由はそれぞれなのでしょうが、進捗に差が出てしまうこと、合唱団への参加意欲に偏りが出てしまうことを危惧しています。

まずはなんとか9月のコンサートが実現できますように・・・


合唱団Baltu

2018年に発足した、バルト3国の合唱曲のみを歌う混声合唱団。団員は10名ほど。

コロナの拡大がもう現実的なものになりつつあった昨年の3月、合唱団主催で「バルトの夕べ」というジョイントコンサートを敢行しました。今思えば、本当に奇跡的に開催がかなったんだとしみじみ思います。

2020年3月7日「バルトの夕べ」プログラム

年齢層は大学生~50代ですが、職業柄対面練習への参加が難しい団員が複数おり、コンサート以降一度もリアルでは会えておりません。

この合唱団では、昨年の夏ごろからオンライン練習を開始、これから取り組む曲の音取りや発音練習のほか、私の解説による「バルト合唱セミナー」を複数回開催、歌の祭典の演奏や最新の合唱曲、私のお気に入り作品の紹介などを行いました。

できて間もない合唱団なので、オンラインに特化していることを逆手にもっと存在をアピールしていこうと画策中です。

少数精鋭!?

まだ詳しくは発表できないのですが、エストニアの合唱団との合同でリモート合唱をするプロジェクトを計画中です!今年は日本とエストニアの友好100周年ということで、合唱を通じたお祝いと交流はうってつけだと思います。

このリモート合唱プロジェクトには新規団員も募集したいと思いますので、続報をお待ちください!


次回は対面練習を継続している団体の取り組みを紹介します。

合唱

Posted by Taku Sato