夏至を祝う〜ラトヴィアのLīgoとJāņi
天文学的には6月21〜22日が夏至ですが、ラトヴィアでは6月23〜24日をJāņi(ヤーニ)と呼んで、夜通し郊外や森の近くでなどでパーティーをして過ごします。
Jāņiというのは人の名前で、キリスト教における聖ヨハネのラトヴィア名、ラトヴィア人男性の名前では1番メジャーなものの一つだそうです。Jāņis(ヤーニス)という名前、確かによく見ます。
ラトヴィアではキリスト教以前の土着宗教観が強く、太陽への信仰がいまだに色濃く残っています。太陽(Saule)に関する民謡は無数にありますし、太陽を扱う詩や音楽も新しく生まれています。
北欧地域のため年間日照時間がごく少ないので、太陽の恩恵をよりありがたく感じているんでしょうね。それゆえに太陽のエネルギーが最も高まる夏至が、一年で最も大切な時期とされています。
(余談ですが、キリスト教最大のイベントであるクリスマスはキリストの誕生日とされていますが、実際には冬至に合わせてあとから決められたものです。この辺はキリスト教が他宗教を取り込みながら拡大していった痕跡で、興味深いところです。)
夏至は最大のイベントなので、この時期に歌われる民謡・合唱曲も無数にあります。
夏至の歌は一節がとても短くて、必ず最後に「Līgo(リーグォ)」というリフレインがあります。
もとは「(揺り籠などを)揺らす」という意味の言葉なんだそうですが、もはやその意味は溶けてしまっていて、合言葉のようにひたすら繰り返し唱えられます。
夏至前夜はLīgosvētki(リーグォの祭)とも呼ばれていますが、これは20世紀初頭にラトヴィア語由来の言葉として作曲家Emils Melngailisが使い始めたものだとか。
5年に一度行われる歌の祭典(Dziesmu svētki)は夏至祭の一週間後に始まり、その一週間後に終わります。このあたりの三週間〜1ヶ月くらいは、「歌の国」ラトヴィアにおいても、特に歌が途切れなく流れ続ける特別な時間ですね。
私が指揮を務める合唱団ガイスマは、コロナ禍のあおりを受けて一年以上本番から遠ざかっていました。
せめてもの合唱団の満足感を高めるために、夏至の歌を映像に収めて、疑似本番という形で世に出すことにしました。
これまであまり映像を表に出してこなかったガイスマが、ラトヴィアの人たちへ向けて「日本にもラトヴィア語の歌を愛好している人たちがいる」ことを伝えたいという気持ちもありました。
ほぼほぼ一発撮り、しかも感染対策に留意して録音と映像は別撮り、という難しいミッションでしたが、久しぶりに顔を出してくれたメンバーもおり(中には1年3ヶ月ぶりの方も)、対面とオンラインのハイブリッド練習の効果もあってか、なかなかいい出来となりました。
是非多くの方に聞いて欲しい、見てほしい映像です。いいね!ボタンとチャンネル登録もどうぞお願いします!
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