2025年初春のご挨拶
新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
昨年の抱負は「万里一空」でした。
宮本武蔵の五輪書からとった言葉ですが、瑣末なことに惑わされず、平心にて道の高みを目指すこと。
ちょうど一年前は心を泡立たせることがありまして、そのことのせいで心身のバランスが崩れかけていたんでしょう。
しかしこの一年は、自身初となるソロ歌唱のリサイタルに始まって、合唱団ガイスマの数々の出演機会、指揮マスタークラス受講、妻とのコンサートなどなど…インプットもアウトプットもてんこ盛り。
その一つ一つにのめり込むように取り組むことで、年初のごたごたは全くの些事に追いやられていました。
40代に入ってから時が経つのがどんどん遅いんですが(笑)、今年は今までで一番長い一年だったあ。
また、十種発声を通じて、全国各地のたくさんの方と繋がれたことも嬉しいことでした。首都圏はもちろん京都、宮崎、静岡、大阪など(叶わなかったけど名古屋、岩手にも行くはずだった)。今年はすでに広島からもお話をいただいています。これもまた万里一空。
今年の抱負は、「足るを知る」です。
自らが充足していることを自覚する、という意味です。
今の自分が全てに足りているなどとは到底思えないのですが、足りていることに気づかないために無駄に欲深くなりうることこそ恐れるべき、と思うに至りました。
あらゆるものに貪欲に突き進むことの美徳は今の自分には必要なくて、いま手元にあるものを「足りる」まで鍛錬することの方に、40代の残りの時間を費やしたいと思います。
京都の龍安寺の蹲踞(つくばい)に記された”吾唯知足”の言葉、初めて見た10代の時には全くピンときていなかったんですが、今はやっとその境地に足がかかっているのかもしれません。
最後に、毎年恒例(?)うちの祖母です。今年の6月でついに100歳になります!
特養ホームに入居しているのですが、足が悪い以外は記憶も明晰で、お喋りも大好き。
この日家族が面会に来ることを夢で見ていたらしく、「夢合わせはあるもんだ」と仕切りに感激していました。
田畑で働き続けた祖母の手は太く長くて艶があり、あぁ、こういう手の人間になりたいなとつくづく思ったのでした。
今年も皆様と共に健やかに過ごせますように。
令和七年一月三日
佐藤 拓
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