スウェーデン・ユース・クワイアとのジョイント!
4月3日、彩の国さいたま芸術劇場音楽ホールにて、スウェーデン・ユース・クワイア(Sveriges Ungdomskör)が来日してコンサートを開催しました。
指揮者はマリア・ゴウンドリーナ(Maria Goundorina)さん。直前の3月末に行われたJCAユースクワイアの指揮者として招聘されていました。
日本のユース合唱団との交流を第一目的にしていたとのことで、JCAユース本隊とのジョイントの話もありましたが諸事情により断念、その代わりJCAユース参加経験のある有志を公募して特別編成合唱団を組織し、彼らとジョイントコンサートをすることになりました。公募からあっという間に32人が集まり、なかなかに強者揃いのグループが誕生!
指揮は2019年のトロサ国際合唱コンクールで同様のJCAユース特別編成合唱団を指揮した僕と谷郁さんのタッグが指名され、集中練習スタイルでの短期仕上げを図りました。
スウェーデンユースの平均年齢は22歳前後。スウェーデン全土から集められた若者たちが一年の間様々なプロジェクトに参加するそうで、一期一会の日本のユースとはちょっと違いチームとしての一体感がより強く感じられます。
指揮者のマリアのプログラミングにはこだわりがあって、曲目の半分を女性作曲家の作品にすると決めているとのこと。また、新しい作品を生み出してその価値を合唱団に育てさせることも軸にしている。プロジェクトとしての意義に加えて、プログラムビルディングにおいても社会的・教育的ビジョンを明確にしているところに深く共感しました。
(プログラムは下記ページに掲載れています)
https://jcanet.or.jp/ap-youth/specific-site/SYC+JCAYC.html#program
スウェーデンユースの歌声はそれはそれは柔軟で輝かしくて、難しい曲でもするりと聞き手の体に染み込んでいく素晴らしいサウンド!現代的な手法を用いた作品においてはその緻密な設計とコントラストの鮮やかな対比が見事でした。
国際交流の最大の意義は「一緒に歌うこと」。当初から合同演奏をプログラムのメインとして、両国の若者が隣り合わせで歌うことでお互いを知り、通じ合うことを目指しました。マリアはそのことをとても大切にしていて、事前の1時間ほどの合同練習でも互いに言語の発音を教えあったり声を聞き合ったりする時間を設けてくれました。
すぐそばでスウェーデン人の歌う声のナチュラルさを感じたメンバーは、「合唱のための声」についての大きな啓示をもらったんじゃないかな。無理なく自然で、しかし高次倍音豊かな明るくて透明な響き。
アンコールでうたった「ふるさと」は1番を日本(指揮は僕)、2番をスウェーデン(谷さん指揮)、3番を合同(マリア指揮)という趣向で。指揮者が変わっていくのはマリアの強い要望で、初めはめちゃくちゃ恐縮したんですが結果としてジョイントコンサートの意義を明確に示すとてもいいエキシビジョンになりました。
動画で見ることができます。
IFCM(国際合唱連盟)のニュースにも掲載されました。
終演後、袖でみんなと(スウェーデン大使も!)
余談ですが、マリアのパートナーはドイツ出身のFlorian Benferという指揮者で、2006〜08年にWYC(World Youth Choir)に一緒に参加していた仲間でした!こんなところで繋がりが生まれるとは。
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