オンラインでつながる日本とエストニア~バーチャルクワイアプロジェクトのこと~

1918年に独立したバルト3国の一つエストニアは、1921年1月26日、日本を含む5カ国によって独立国として承認されました。日本はエストニアを承認した最初の5国のうちの一つだったのです。

今年は両国が友好関係を結んで100周年という記念すべき年です。この機に、私が指揮者を務めバルト3国の音楽を専門に演奏する合唱団Baltuと、エストニア在住の指揮者・上田絢香さんが指揮するVHK Õpetajate ja Lapsevanemate Segakoorが、合同でバーチャル合唱にチャレンジすることとなりました。

アマチュア合唱団同士が国境を越えて一つのバーチャル合唱作品に取り組む、というのはまだ珍しいかもしれません。しかしオンラインで世界のどことも容易につながれる今、こういった発想が沸いてくるのは必然だったと思います。


エストニア側の指揮者の上田絢香さんは、2013年からエストニアに渡り、音楽院でトヌ・カリユステ(Tõnu Kaljuste)のもとで合唱指揮を学び、卒業後再度音楽院に入学して現在はオーケストラの指揮を学んでいます。harmonia ensembleの創立メンバー、初期のコンミスでもありました。

上田絢香さん

彼女とは2009年のジャパン・ユース合唱団で知り合って以来の仲で、2019年にエストニアの歌の祭典を観覧しに行った際は現地のガイドに加えて、滞在までお世話していただきました。

その時エストニア人にとっての歌の祭典の重要さを熱く語ってくれて、彼女が深くエストニアの人々の生活と心に入り込んでいると感じました。心から尊敬する友達です。

VHK Õpetajate ja Lapsevanemate Segakoorという合唱団は、彼女が勤務するVanalinna Hariduskolleegium(略してVHK)という学校の親と教師たちによって構成される混声合唱団です。日本でいうところのPTA合唱団みたいな感じでしょうか。

歌の祭典の広場での集合写真。銅像はエストニアの合唱の父・Gustav Ernesaks

演奏動画がありましたので聞いてみてください。PTA,というイメージとはちょっと違うしっかりしたサウンドの合唱団です。

上田さんが指揮しています
アカペラでも安定感抜群

私が指揮者を務める合唱団Baltuは、2020年3月に行ったコンサート「バルトの夕べ」を最後に対面での練習ができていませんが、月2回ほどのオンライン練習を継続して、バルト3国の音楽への親しみを深めてきました。

バルトの夕べの様子

メンバーは10名足らずですが、皆さん意欲がとても高く、オンライン練習にも欠かさず出てくださいます。まだ創設して3年の若い団体ですが、バルト3国の合唱音楽の魅力を広く伝えるために、クオリティの高い、バルトらしい音・言葉にこだわった演奏を目指しています。


せっかくエストニアとつながれる意義深いプロジェクトですので、ぜひ多くの方にこの合唱に加わってほしいと考え、本プロジェクトに参加いただく【ゲストメンバー】を募集することといたしました。

合唱団Baltu側の一時的なメンバーとして、オンライン練習を通して3曲のバーチャル作品に挑戦していただける方を募っています。

短期集中、全国(世界)のどこからでも参加いただけます。エストニアの合唱団との合同ミーティングや、上田さんのレクチャーも計画しています。またゲストメンバーは期間中に1回、私の個別レッスン(30分)を受講することができます。

募集に関する詳細、応募方法については以下のページをご覧ください。

たくさんのご参加、お待ち申し上げます!

合唱

Posted by Taku Sato