【最終集計】シニア合唱団員ネット環境アンケート結果（その１）

2020年7月2日

5月27日にWEB上で開始した表題のアンケートにつきまして、多くの皆様のシェアや拡散、ご回答へのご協力のおかげもありまして、締め切りまでに828件の回答をいただくことができました。

当初、目標は1000件と言っていたのでそれは果たせませんでしたが、一個人が発信したウェブ上のみの拡散でこれほど多くの方にリーチすることができた、ということだけでも注目に値すると思います。

私も多くのシニア合唱団員と活動を共にしていますが、そういった方々から根本的に合唱の喜び、音楽の楽しみが奪われかねないこのコロナの事態に、なにかわずかでも突破口を見つけられないか、との思いで始めたアンケートでした。

アンケートの各設問に関する回答を、円グラフの形で示しながら、私自身の感想と簡単な分析を述べたいと思います。

はじめに

・期間：2020年5月27日～6月20日

・対象：60歳以上で合唱団に所属している方

・目的：シニア世代のインターネットや通信環境の現状を把握し、コロナ禍においても有効なコミュニケーション方法としてオンラインツールの可能性・不可能性を模索すること

・設問数：10問　+　自由回答欄

・回答数：828件

佐藤拓がGoogleフォームで作成したリンクを、主にSNS（facebookとtwitter）で拡散していただき、佐藤が指導・演奏で関わっている団体や友人知人にメールでも回答のお願いをしました。
いくつかの合唱団にはウェブ上のフォームではなく、メールや紙での回答もしていただきました。

ウェブを通じてのアンケートであるため、そもそもネットに一定程度以上通じている方にしかこのアンケートの情報が届かない、という欠点があります。このアンケートがリーチしないような方々の状況を知ることが、今後の大きな課題といえるでしょう。

私のSNSや知人のツテをたどって拡散していただいたため、回答者の居住地は偏りが出てしまいました。

北海道や四国はなかなかお声がけできる人が少なかったのが残念です。
そういえば、ある日突然中部地域からの回答が一気に増えたことがあったので、かなり大きな合唱団が団単位でご協力してくださったのでは・・・と推測しております。どちらの団体かはわからなかったのですが、厚く御礼申し上げます。

大半が60代の方でしたが、70代、80代の方の数は予想より多かったです。

当たり前のようですが、やはり年齢が高くなるだけ、WEBを通して何らかの情報に行きつくのが難しくなるのでしょう。

ちなみにおひとりだけいらっしゃる90代以上は、私の大学グリーの大先輩でらっしゃいます。

予想をはるかに上回り、モバイル機器の所有率は95パーセントという驚異的な数字でした。

しかもこの所有率は年代によってあまり変わりませんでした。80代でも所有率はかなり高い。

モバイル機器を利用してなんらかのつながりを維持する、ということは今後もっと必要になってくるでしょうから、この結果は喜ばしいものでした。

普及率が高く、手軽なSNS・通話アプリであるLINEの使用状況は興味がありました。スマホを持っているのでとりあえずLINEはやっている、という人は多い印象だったからです。

しかし調査の結果、モバイル機器の所有率とは重なりませんでした。

スマホ・タブレットを持っている人のうち、8.4％（67人／789人）の人がLINEはやっていないと答えています。LINEというアプリそのものへの警戒もあるのかもしれません。

随分あいまいな設問ですが(笑)、この問いへの回答でネットリテラシーの一端が垣間見えるかもしれないと企図しました。

PCの所有率が非常に高いこともわかりますし、「わからない」と答えた方は、家にPCはあるが自分ではほとんど使わない人、なのかもしれません。

今回のアンケートがリーチしなかった方、つまりSNSなどをあまりやっておらず、ネット上の情報にあまりアクティブでない方が、どういったPC環境をお持ちかというのは気になります。「PCを所持していない」という回答は、実数はもっともっと多くなるでしょうね。

この設問は、オンラインでのミーティングや合唱を始めた方で、気づかないうちに通信制限になってしまったという声を少なからず聞いていたため、ハードやソフトの問題と同じくらい通信環境は重要と思い、加えました。

ただ、私の聞き方があまりうまくなくて、月の通信量（いわゆるギガ数）の上限があるプランでも定額制といえばそうなので、「はい」と答えた方の中でも通信制限の憂き目にあうかたもいらっしゃるかと思います。

通信制限の問題は、テレワークやオンライン練習などが拡大していくと大きな問題になると思いますので、より詳細な調査をするべきかもしれません。（そしてこれは、おそらくシニアよりもユース世代、大学生～20代くらいの若者においてのほうが、より深刻な問題になると思います。）

その２へ続きます。

Posted by Taku Sato